起業からマルチユースクリームの誕生まで

肌荒れに悩んでいた頃

私は10代のころに神戸から一人で上京し、広告モデルやテレビ番組、ラジオなどの芸能活動をしてきました。

その際、慣れない一人暮らしと過酷な仕事現場との往復で、肌を酷使することが多く、はじめは強かった肌もみるみるうちに敏感になっていきました。

そして、20代になり、初めてのニキビができ始め、それが跡となり赤みや凹凸になりました。当時の私は家事をこなすことや仕事を覚えることに必死で、美容に対する知識もなく、しっかりとしたケアができていませんでした。

次第に周りも心配の目を向けるようになり、アドバイスを頂くことも増えました。これではいけないと、皮膚科や美容皮膚科、エステに通い、一度壊れたものは元に戻りにくいことや完全には治せないこと、日々のケアの重要性を知り、美容に携わるようなお仕事もしてみたいなと思いながら、芸能活動を続けてきました。

商品開発のきっかけ

時は流れて、初めての妊娠出産を経て、自分を取り巻く環境がガラッと変わりました。

認可保育園に預けられなかったため、しばらくはシッターサービスを利用しながら仕事を続けていましたが、子供と過ごす時間が思うように確保できない日々、今までの仕事を続けていくのか?それとも違う道に行ってみるのか?とても悩んでいた時に「この機会に学校に行って資格系の勉強をしてみるのもいいんじゃない?視野も広がるし、保育園も決まると思うよ。」というアドバイスをいただき、興味のあった医療を学ぶことにしました。

教育学、心理学、生物、化学、解剖学、組織学 、生理学、病理学、微生物学、薬理学、栄養学、衛生学、公衆衛生学、社会福祉学、衛生行政学など様々なことを学んでいく中で、医薬部外品や化粧品のお話がありました。その中でも「本当にいいものは全身に使える」という先生のお言葉は、とても衝撃的でした。

私は、過去の経験からたくさんの商品を各パーツに使いわけて全身しっかりケアをしないといけないと思い込んでいたのだと気づかされました。

その日から化粧品について改めて考えるようになり、このまま学びを進めて資格を取ることだけに専念するのか、それとも、学びを活かして美容系の会社に就職してみるのか、はたまた起業するのか,,,とプライベートな時間にたくさん考えるようになりました。

そんな時に、美容業界で起業して、シャンプーなどを商品化したいと悩んでいる人と出会いました。

その際に自分だったらどんな商品があったら使いたいのかな?と考えて「頭から爪の先まで全身ケアできる」「持ち運びが容易」「衛生的」「鞄の中で壊れたり、蓋が空いたりしない」「シンプルでおしゃれな容器」「香りがいいもの」そんな商品があったらなとお話をしていく中で、起業して商品化することを決意しました。

難航した開発

まず、どの商品から開発を進めるのかを検討するために、都内の人気美容室数店舗に伺い、トップ美容師さんたちに実際に売れている商品や口コミ、製造元をリサーチ、商品を購入し、使用してみました。

平行して、私のコンセプトを実現できる、化粧品の製造会社さんを探し、実現可能と手を挙げられた5社へ依頼、最終的にはコンペで採用を決めることとしました。

はじめての商品開発は意思疎通がうまく取れず、伝えることの難しさを痛感し、資料を作ってわかりやすく伝えることにしました。

そこから、毎週毎週各社から届くサンプルを毎日それぞれ使いながら改良点をメモして、連絡をいれて、また改良...特に苦戦をしたのが香りで、各社、調香師さんを何人もいれて、納得がいくまで計数十回の試作を行い、香りの調整だけでも数ヶ月かかりました。

もちろん、成分にも妥協をしたくなかったので、頭の先から爪の先まで使えるエビデンスのある成分を全ていれて、バランスよく配合したいという思いから、質感の調整まで、本当に思ったものができるのか...と心配な日々が続きました。

医療を学んだ目線からの知識が少しはできたとはいえ、商品開発は思った以上に奥が深く、なかなか思った商品が出来上がるまでには時間がかかりました。

そんな日々を近くで見守ってくださった銀行さんや行政の方々に心配されながら、気づいたら一年以上の歳月が過ぎ、ようやく完成の一歩手前まで辿り着けました。

最後の質感調整を終え、ようやく完成した各社の試作品。ここで、1番良かった試作品に絞り、そこからさらに改良を行い、完成に至りました。

細部へのこだわり

持ち運んで常にお守りのようなアイテムにして欲しかったので、カバンにいれやすいように容器の角を落として、逆止弁を付け、リサイクル可能な容器にしました。

そして、カバンの中で壊れにくい容器で、キャップは開きづらいスクリューキャップにしました。

容器選定と同時に進めたロゴとパッケージのデザインでは、たくさんの案が来る中、何度もデザインを微調整。

年齢や性別を問わず持ち運びやすく、カバンの中で見つけやすい、どんなファッションでも合わせやすいカラーとデザインにするため、印刷所に行き実際の発色を確認、化粧箱のデザインも、何度も微調整を行い環境にも配慮したパッケージにしました。(FSC®認証取得)

弊社で発送を行うため、配送用の梱包資材については、まずは環境配慮をしているものであること、お客様にとって開封が容易で快適な資材であることなど、過剰な梱包資材を使わずにごみを減らすことができるものなど様々な部分にこだわり、各メーカーから多種多様なものを取り寄せ、自分自身で包んでみて作業のし易さや壊れにくさを確認しました。

さらに、資材の製造元へ訪問して実際にお話を伺い、梱包作業をする方やお客様の気持ちに立ちながら選定しました。

値付けについては、内容成分や容器の品質を保ちながら皆様の手に取りやすい価格設定にするために広告費、宣伝費、人件費、倉庫や資材の費用などできる限りコストを削減しました。

さらに、直販の場合は送料を弊社負担にしています。

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